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ゲリラ雪

  : 

下道(かどう)会総裁が「よしなしごと」をゲリラ雪のように、書くときは大量に、書かないときは放置気味に記します

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広島発 バスに揺られて(番外編12完) 

富士宮市内には日蓮正宗の総本山・大石寺がある。以前はたくさんの参詣客が訪れ、駅からは多数の団体専用列車が発着したという。しかし、1991年に正宗が創価学会を破門して以降、本数が大幅に減少。広い広い団体専用ホームと臨時入口が往年の名残を残している。


バス乗り場は、その駅前をくるりと取り囲むように伸びる歩道橋の下にある。街の規模に比べてスペースは広く、富士駅に近い構造だ。屋根、壁付きの待合室もあるが…あれ、お住まいの方?


富士急がほぼ独占するエリアだけあって、バスというバスがすべて独特の緑色=ハイランドグリーン。多数のバスが乗り入れる広島で生まれ育った人間からすると、公共のバス乗り場というより、富士急静岡バスの営業所みたいだ。(一応山交タウンコーチも乗り入れる)


ぼんやり眺めていると、回送車がこんな表示を出していた(^^;

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そういえば広島→東京のバス旅で三島駅を通ったとき、こんな幕を出したバスがいたなあ。富士急静岡バスはその後、08年7月にICカード「PASMO」に加入。一部Blogによると、現在は「便利でお得な パスモ スイカ バスカード 使用できます」にいう表示になったらしい。商魂たくましい。。


6.富士宮駅9:50→10:25吉原中央駅(富士急静岡バス)宮76大月線 中央病院 吉原中央駅
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(運賃は480円)

(順にこのへんこのへんこのへんの地図をご参照ください)富士宮市と隣の富士市は自治体こそ違えど、事実上1つの街といってよく、お互いの結び付きは強い。04年度、富士・富士宮・芝川の3市町で、自治体を超えた人の流れのうち、7割を富士-富士宮の行き来が占める。(静岡県「岳南都市圏パーソントリップ調査」による)


両市を行き来するバスは20分に1本。JR身延線富士-西富士宮間も電車が20分に1本あり、大都市圏並みの充実ぶりだ。そんな中、やって来たのは1日2本しかない、中央病院回りの系統。総裁ともう1人が乗った。長距離路線に入ることもあるためか、シートベルトが付きシート。PASMOに対応するため料金箱が新しくなっていて、ICカードリーダーにカバーが付いていた。


北向きに停まっていたバスは、ターミナル出口でUターンする形で南に向きを変え、駅舎前で東へ左折。ロードサイド店が並ぶ2車線道路をゆっくりゆっくりと走る。間もなくの萩間で1人降りて、もう貸し切り状態になってしまった。


やれる男 よっちゃんにお任せ」と書かれた選挙ポスターに吹き出しそうになっていると、天間高屋と下天間で1人ずつ乗ってきた。1日ぶりに第2東名の橋脚をくぐり、住宅入口、峰畑でさらに1人ずつ乗車。やっとにぎやかになったと思ったら、厚原東で総裁以外みんな降りてしまい、また「貸し切り」になった。厚原東は何の変哲もないバス停だったが、みんなどこへ行ったんだろう?


国道沿いの看板を見て、富士市に入っていたことに気付く。それぐらい風景は変わらない。片宿で東名をくぐり、伝法2丁目の先、富士IC入口の交差点を右に右折。ICは最近の新設タイプと違い、植え込みがしっかりあり、ランプウェイが長く伸びる。コストより重厚長大さが優先された時代の記憶を残す。


道路は一気に4車線に広がった。どうやら富士の市街地に入ったよう。ここで富士急ハイランド行きとすれ違う。ハイランドへは東京から中央道を使うイメージが強い。静岡側から行くのはマイナーな感じで、週末なのに対向のバスには2,3人しか乗っていなかった。富士急のエリアだからこそ残り続けているのか。


広島-東京のバス旅(このへん)では夜通ったのでよく分からなかったが、昼間に通って驚いた。道路は4車線だし、きれいに区画整理されているのだ。土地は広く切ってあり、大型店がどどんと並ぶ。富士駅あたりとは全然違う街に来たかのよう。wikiによると、このあたりは1980年代に水田をつぶして作られた新興商業エリアらしい。なるほど、広島の商工センターと似た街並みだ。クルマも多い。


市役所周辺を大回り。ホームセンターの脇道を抜け、再び2車線道路に戻る。このへんでやっと何人か乗ってきた。少し走ると昔ながらの商店街に。と、目の前に年季の入ったあのバス乗り場、吉原中央駅が姿を現した。広島-東京バス旅、補足旅(このへん)の時と同じで、きょうも空は鉛色だった。次は青空の富士が見たい。




09021310これで総裁が心残りだった、天理駅-亀山駅、清水-吉原中央駅を「よりちゃんとした」ルートでつなげることできた。それぞれのスタート/ゴールは一度訪れた場所なのに、何だかんだと新しい発見の連続だった。これが旅の醍醐味なんだろうなあ。


最後に清水-吉原中央駅の精算。

清水駅-但沼車庫 ¥540
但沼車庫-清水工業団地入口 ¥330
瓜島-芝川 ¥240
芝川-柚野支所 ¥390
柚野支所-富士宮駅 ¥450
富士宮駅-吉原中央駅 ¥480
合計 ¥2430




広島-東京バス旅のとき、清水駅-吉原中央駅は約2時間の徒歩をはさんで¥1550だったので、まあ順当かな。最後にご当地グルメをしっかり味わってしまいましたが、ともあれ広島-東京バス旅、これにて本当の完結です




さあ、後は帰るのみ。西富士宮のホテルに預けた荷物を取りに行くため、バスで富士駅へ行きます。やって来た中型バス(日野レインボー)は木の床。これは広島バスで見慣れているので驚きませんでしたが(それもどうかと思う話ですが)、運賃が変わるときに衝撃が走りました。


プルルルルルルル!!


そう、昔広電バスでも鳴っていたあの音が響き渡ったのです。これはなつい!!!! そんなハイテンションな総裁をよそに、バスは広島-東京の時とは逆に、住宅地を西へ西へ。30分ほどで商店街に入り、富士駅に着きました。途中フィランセというバス停があり、何かの工場かと思ったら保健所兼福祉施設でした。何でも愛称をつけるのは考えもんなのかも。


富士駅からは再び青春18きっぷ旅です。手持ちの本をすべて読み終わったので、身延線待ちの間にキオスクで何冊か文庫本を買いました。その中にあったのが「朝湯、昼酒、ローカル線―かっちゃんの鉄修行」です。辛口コメンテーター・勝谷誠彦氏の旅行記。TV出演時みたく文句ばっかり言いながらも、しっかりローカル線を楽しんでいるのが何とも滑稽で面白かったです。


そして、作品中に天竜浜名湖鉄道新所原駅(JR東海道線新所原駅に隣接)のウナギ屋さんが出てきたのです。何とタイムリーな(笑) これで昼メシは決まりました。


西富士宮から富士に戻り、12:00発の島田行きに乗車。興津、浜松で乗り換えて、愛知県境の新所原には14:30に着きました。静岡県、広すぎorz でも随分西に戻ったせいか空の雲がなくなりました。


そして目指すウナギ屋さん(ていうか駅)に到着~。


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まず右の建物に行くも…ここは持ち帰り用の蒲焼きだけ。何と左隣のプレハブ?が食堂だったのです。なまじカーテンが閉まってるもんだから、最初は倉庫だと勘違いしていました。。 入ったら入ったで、普通の民家の部屋みたいで「本当にここ?」と思ったほど。総裁の後に来た女性3人はドアを開けて中を見回した後、食堂でないと判断して帰っちゃいました…。


名物という「うなぎうどん」を注文。ウナギが焼ける珠玉の香りを楽しむこと十数分、やっと来ました。


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まるまる一尾載ってます!(ピンぼけしたので画像サイズは小さめに) 食べると、ふっくらとした肉と香ばしさが口の中いっぱいに広がります。今まで食べてきたウナギは何だったのか! あまりのうまさに、目が普段の2倍ぐらい開きました。これが国産の力。


大満足で新所原を出発。その後、豊橋で乗り換え、米原で新快速に乗る頃にはすっかり日が暮れていました。大阪で晩飯を食い、夜行バスで広島へ。最後に手元に残った青春18には…横川、新今宮、西富士宮とマニアックなスタンプが並びました(笑)


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広島発バスに揺られて おわり

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広島発 バスに揺られて(番外編11) 

4.芝川8:36→8:52柚野支所(芝川町営バス)芝川←→柚野支所
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(運賃は390円)

(順にこのへんこのへんの地図をご参照ください)定刻より少し早い8:30、クリーム色のシビリアンがやってきた。ここ芝川(駅)が始発だが、すでに婆さんが1人乗っている。どこかから来た便がそのまま柚野行きになるのだろう。シトシトと雨が降り、朝の商店街はまだ静まりかえっている。


ここで1つ困ったことが。今回のバスも車内放送や「とまります」ボタンがない。そのため乗るときにウテシから「どこまで?」と聞かれたが、「柚野」の読み方が分からない


ゆの?ゆずの? とりあえず「…のししょまで」と最初のあたりを適当にごまかしたが、「ハア?」と聞き返されてしまった。終点までと言うテもあったが、方向幕と実際の終点が離れていることはままある。窮余の策として「ししょまで」と答えたら通じた。地元民の乗り物にヨソモノがお邪魔する通過儀礼だ。(後で調べたら、「ゆの」が正しい読み方らしい)


車内はラジオがかかってて、山瀬まみと高橋克美がいつものテンションでトークを展開。寂しい車外とのギャップがたまらない。雑音混じりでハイファイセットの歌が流れ出したところで、ラジオを切って発車。総裁を含めて客は3人だ。


バス乗り場を右折、ゆるやかな下り坂で駅舎前を通過して今度はきつい坂をぐねぐね登る。道は狭くなってマイクロバス1台がやっと。「月台」バス停を過ぎた先で富士宮へ抜ける県道と合流。少し走っただけで離れ、カーブと傾斜がさらに急な坂で一気に勾配をかせぐ。


登り切ったところで視界が開け、区画整理された香葉台団地。芝川は谷がせばまった駅周辺ではなく、山一つ隔てたエリアが住宅地らしい。坂を下りきった坂本で1人降りた。別の県道に入り、Aコープ前で残り1人も下車。貸し切り状態になった。


道が狭まり、センターラインが消えたり現れたりするようになった。もっともウテシにとっては大した問題ではないようで、時々来る対向車ともあざやかなハンドルさばきですれ違う。気付けばずっと同じスピードを維持している。ちょっと尊敬。


耳をすませると、このバスは無線機を積んでいるらしい。離合場所を確認するためか、ウテシが時々オペレーター?の女の人に現在位置を伝えている。よほど狭い場所を通るのだろう。にしても芝川町営バスってそんなに沢山走ってたっけ?


疑問は間もなく解けた。大久保の先でダンプと離合。あちら側のウテシ席にはマイクがあり、向こうが喋るとこちらの無線機から声がした。つまり、ダンプが無線相手だったのだ。確かにダンプ×バスだと場所を選ばないとすれ違いに苦労しそう。お互いに顔見知りなのだろう。とっても楽しそうにやり取りしている。


そしてオペーレーター?の声の主も分かった。女子ダンプ乗りだったのだ。ちょっとかわいらしい感じの人で、すれ違いざま「今年もよろしくお願いします」。こちらのウテシも顔をほころばせて「よろしくー」。よく聞くと他のダンプウテシも、この女子との無線はやたら長い。だからみんなご機嫌なのか。しょうがないやっちゃなあ(笑)


海洋センターあたりでやっと2車線に。さらに別の県道とT字路で合流、富士急静岡バスの「大鹿新田」バス停があった。ここで降りても良かったが、支所まで行くと宣言した手前このまま乗ることに。道幅はまた狭まったが、道路沿いに家が続くようになった。駅周辺より家が多く違った感じの街並み。昭和の大合併まで違う村だったこともあり、別の町に来たみたいだ。

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柚野農協から国道になったが道幅は相変わらず。支所前の少し道が広がった場所が終点兼転回場だった。目の前に富士急静岡バスのバス停。雨を避けるように商店のガレージの中に2,3人が立っていた。


5.柚野支所9:07→9:35富士宮駅(富士急静岡バス)富62 富士宮駅
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(運賃は450円)

(さっきの2枚目の地図やこのへんをご参照ください)ガレージで雨宿りしていると、1人、また1人とやってきた。大鹿新田からの道が結構狭かったのでどんなクルマが来るのだろう?と思っていたら、何と中型ノンステップ車! これにはびっくりした。


柚野支所からは総裁を含めて5人が乗車。既に何人か乗っていて、座席の半分ぐらいが埋まった。3つ先の水沢でも2人乗車。土曜の午前中でこんなんだから、小型車やマイクロでは難しいのかもしれない。直通バスがある分、人の流れは、同じ町内の芝川駅周辺より富士宮市街への方がメーンなのだろう。


バスは元来た道をゆっくりゆっくり戻る。マイクロと違って道幅ギリギリの車体。普通に走っていてもドキドキするのに、ガテン系の対向車が突撃をかましてくるもんだから余計に手に汗握る。大鹿新田のT字路を今度は東へ進み、西山入口を出ると両側がうっそうとした林になった。雨でただでさえ暗いのに、木々が空を覆い、何かいやーな感じになってきた。道がさらに狭まり、離合に苦労する。


西山入口から先、笹原、チサンカントリークラブ前の両バス停は、ぐねぐねしたカーブの先、一見何もない山林の中にあった。道は相変わらず狭く、バスを待つような路側帯もない。こんなところから誰が乗るんだろう、と思っていたら車内放送がこんなことを言い出した。


「次は峠です。この先カーブが多くなりますので…」


え、今までもカーブあったじゃん? 何? そして一気に視界が開けた。眼下には霧で乳白色に包まれた盆地。富士宮の市街地だ! そう、チサンカントリークラブは富士宮を臨む山の上にあったのだ。そして右側、街からこの山へとつながる道は…凶悪険道だった!!


直後の離合が一番エグかった。対向車もまさかバスが来ると思っていなかったのだろう。特に道が狭い場所で鉢合わせになってしまい、お互いに四苦八苦。ミリ単位のハンドルさばきでやっと抜けたと思ったら…


まさかの連続U字カーブ!!!


脳内アドレナリンが噴出し、メモをする手にぐいと力が入る。思いも寄らない場所で、すごい路線に出会ってしまった。正直、リエッセでもしんどそう。ウテシにしてみれば、雪の日は絶対運転したくない便だろう。


青見入口の手前でやっと霧の下に広がる富士宮の街並みが見えてきた。清水橋まで来てやっと普通の平地に。緊張したせいか、軽い疲労感に襲われる。


住宅地を抜けるとどこかで見たような景色に。ああ、ラーメン屋に行くときに歩いた道じゃ! 昨晩の記憶が蘇る。バスは西富士宮駅前のロータリをぐるりと回り、商店街を走り抜けた。まさか泊まったホテルのすぐ近くに、こんなトワイライトゾーンな険道があったとは…。


西富士宮からのアーケードが途切れ、別の商店街に入って、右折したらもう富士宮駅だった。柚野支所からたった30分。その倍以上バスに乗った気がした、濃密な路線だった。




09021305富士急静岡バスは07年春、芝川町に町内路線から完全撤退する意向を示した。08年3月末で別の2路線は廃止になったが、今回乗った柚野支所-富士宮駅線だけは残った。町側の働きかけに加え、JR身延線から離れ、利用が多かったからだろう。


芝川町と富士宮市は09年2月、法定合併協議会を設けた。事前の連絡協議会段階で、合併後の公共交通について10年度までは「現状のとおり」で合意。道路事情が劇的に改善する(=マイカーが使いやすくなる)様子もなさそうで、富62系統は当面残る見込みだ。もっとも、一度富士急静岡バスが手放そうとした赤字路線なので、コミュニティバスになる可能性は残る。


ネットで検索してもほとんど乗車記がヒットしないマイナー系統だが、狭隘路線好きならきっと好きになれると思う。是非一度お試しあれ。

広島発 バスに揺られて(番外編10) 

3.瓜島17:16→17:29芝川(芝川町営バス)芝川←→瓜島
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(運賃は240円)

このへんの地図をご参照ください) マイクロバスはいったんバス停を通り過ぎ、先ほど総裁が前を通った転回場でUターン。すぐにやって来た。「どうぞ」。白髪のウテシに導かれて車内へ。中はしっかり暖房が利いていて、いてついた体がとろけていく。シートに深々と座って、カーブの揺れに身を任せる。運賃箱はあるが、車内放送も大きな運賃表もない。ウテシ席にはおつりが沢山準備してある。


さっきの旅館にまだ明かりがついていない?のは確認できたが、そこからはどこか分からない。群青色の空に真っ暗な山が浮かび上がる。ところどころに家の明かり。バスは谷沿いの2車線道をスイスイ駆け抜ける。フロントガラスに雨滴がつき始めた。どうやら間一髪のタイミングだったようだ。


稲瀬川を渡る橋の手前で旧道へ。事実上の回送バスだからか廻沢集落を回っても、郵便局の明かりがぼうっと浮かび上がっていた内房集落でも誰も乗らない。瓜島を出て10分でコンビニの明かりが見え、ナトリウムランプでオレンジ色に照らされた交差点が見えてきた。芝川町から身延線の対岸を通って山梨県へ行く主要地方道と交わるからか、横断歩道ではなく地下道があった。


そうそう、こんなに暗くなったらバスの車体を撮るのにフラッシュが必要だ。無用なトラブルを避けるためウテシに事情を説明したら、「へえー、面白いことをしてるね」「清水から歩いてつながるんだー」と興味津々の様子。


「こういう人って自分の他にいるんじゃないですか?」
「いやね、今ごろはインターネットで町営バスのことを知って○○○(聞き取れず)へ行くのに乗る人はいるんだけど、おたくみたいに専門なのは初めてだねー」。なるほど「専門」か。ネットで逆方向に乗った体験談は出ていたが、このウテシ氏のバスじゃなかったのかな。


県道交差点を横切り、新内房橋を渡った先でT字路を右折。次の信号で狭い道に入ってからが町の中心部だった。


左側に線路が現れ、住宅や商店が密集するように。役場脇から踏切をまたぎ、深い谷を古めかしい橋で渡る。田舎町独特の狭い街路をくねくね進んだ先が終点「芝川」だった。駅から少し離れた空き地。地図を見る限り駅前の道は狭く、ここでしかバスが待機する場所を確保できないのだろう。フラッシュを使ってマイクロバスを撮る総裁を、別のバスを待つ女子高校生2人組がじーっと見ていた。


「気をつけてねー」。最後にウテシに見送っていただけたのがうれしかった。




09021516芝川からもう1本バスに乗り継げるが、その先がつながらない。きょうはここまで。JR身延線で2駅南側・西富士宮のホテルを取った。すぐあった富士行きに乗り、まずは興津のコインロッカーに預けた荷物を取りに行く。


JR東海の在来線は西日本と違って、時刻・運用に規則性があるのかないのかよく分からない。行きがけに清水まで乗った時間帯はケチった3両編成が来たが、夜は広島より長い9両編成が来た。また新鋭313系と国鉄時代の211系がひっついていたり、何だかよう分からん。


一つだけ確かだったのは、シートが少ないので座れなかったこと。東海道線富士-興津の往復とも。人口規模にしてはお客さんは多いのでオールロング車にしたい気持ちは分かるけど…ねえ。




19:30、あらためて西富士宮に到着。ホテルでチェックインしている最中、横の棚に気になるものを発見した。「富士宮焼きそばマップ」。思い出した。富士宮はB級グルメグランプリで連覇した焼きそばの街だ。これは食いにいかねば。パンフをゲット。部屋に荷物を置き、早速街中へ繰り出した。


駅前商店街は20時前なのにもうシャッター通り。開いているのはパチ屋ぐらいで一瞬焦ったが、ホテルから2番目に近い焼きそば屋が開いていた。座敷スタイルの店。空いているおかげで4人席を1人で占領できた。


広島県民なので焼きそばぐらい自分で焼くわいと思っていたが、別のテーブルを見ていたらどうも富士宮の流儀があるっぽい。やってきた焼きそばセットを見て「さてどうしよう」と思っていたら、見るからに観光客な総裁を見て「焼きましょうか?」と言ってくれた。「お願いします」。ウケミンに優しい店じゃのう(^^)


富士宮焼きそばは脂から違う。サラダ油ではなくラードを敷き、乾燥させたブタの背脂を炒める。香ばしい匂いを吸い込んで、ゆで麺ではなく蒸した乾麺を載せ、鉄板に水をかけて麺を柔らかく。具材としっかり混ぜた後はイワシの削り節を散らして、最後はウスターソース。ジュワーと焼き音が響いたところで「いただきます」。美味い!!!!


背脂とラードでパリパリになった麺と、イワシ節の苦みがとってもジャンキーな味を出していて、ビールとの相性が抜群。すぐ2杯目を注文した。全国の並み入るB級グルメを押しのけただけのことはある。ほかにホルモン焼きも頼んで2000円程度。B級グルメはおサイフにも優しい。


とはいえもう少し何か口にしたいところ。酒を飲んだらラーメンだ!とさっき焼きそばを食べたことを忘れ商店街をうろうろ。結局いい店が見つからず、身延線の車窓から見えた店に落ち着く。東京風のしょう油味で口当たりがとても優しいスープだった。そしてこの店は餃子が美味かった。ラーメンより美味かった(笑)


大満足でホテルへ。TVを付けようとしたが…リモコンが特殊で操作方法がよく分からず断念。まあ旅先ぐらいこんな夜があってもいいか。




翌朝。最初は芝川発の初便(6時台)、2便(7時台)に乗ろうかとも考えた。しかし、あと3本で今回の終点・吉原中央駅。仮に広島-東京旅でこの経路を使ったとしても、総裁が使った沼津駅より遅い便を使うことになり、どのみちその日中には東京駅に着かない。ならば急ぐことはないじゃないかと、午前7時半まで熟睡。ホテルの朝食をしっかり詰め込んで出発した。きのうのことを思うと体が軽い。

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西富士宮駅で青春18きっぷにスタンプを押してもらって甲府行きに乗る。西富士宮は富士から来る区間電車の終点で、ここを境に身延線は1時間3本から1-2時間1本に本数が減る。JR東海静岡支社はかたくなにロングシートの313系ばかりを入れるが、身延線は例外でボックスシートが並ぶ。長時間乗るならやっぱりこっちの方がいい。


きのうは真っ暗な時間に乗ったので気付かなかったが、車窓はひたすら林ばかりでたまに畑が見えるぐらい。時々脇の道を走るクルマは沼津ナンバーだ。そういえば総裁実家の車は昔沼津ナンバーだった。


芝川駅で降り、傘を差してバス乗り場へ。空き地なんて書いたが、明るい時間に見ると屋根付きのベンチもあった。芝川町広報によるとかつて町内には静岡鉄道や山梨交通も乗り入れていたという。当時はさぞかしにぎやかだったに違いない。

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広島発 バスに揺られて(番外編9) 

2.但沼車庫15:21→15:36宍原車庫(静岡市自主運行バス)宍原車庫
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(運賃は330円)

(順に1,2の地図をご参照ください)宍原は山梨県境にある集落。静岡鉄道はかつて、甲府行きの特急バスを走らせていた。この便はその残り香のような路線だ。


「両河内線」の看板が掛かった乗り場にバスが少し早く着き、扉を開けてくれた。風が冷たくなってきたので早々に乗り込む。客は総裁と、総裁と同じ但沼車庫行きに乗ってきた爺さんと、このあたりで買い物したらしい婆さんの3人。爺さんと婆さんは顔見知りらしく早速世間話が始まった。


「このバスは便数が少ないから困る。もう少し小さいバスでエエから、5,6人で乗れるクルマでええからな、1時間おきにでもあればなあ
「そうですなあ」
1時間に1本はちょっと難しいかもしれないが、現実的な提案。行政サイドにこういう声が届けばいいのだけど。2人のしゃべりは三河弁・岡山弁に近い、広島人が親近感を覚える方言だ。


間もなく後ろに板井沢行きが来て、清水からの但沼車庫行きも到着。詰め所にウテシが集まりトークに花が咲く。外からは鳥のさえずりも聞こえてきた。空の灰色はさらに濃くなり、降らないか心配だ。


このバスは静岡市自主運行バス。バス停も普通のしずてつとは似て非なるタイプだ。

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奥にリエッセもいたが、この便は普通の中型車。それなりに乗り手がいる? 間もなくウテシが戻ってきて発車した。よく見ると無線機を積んでいる。かなり狭い道を走るのだろう。


但沼の集落を抜けて再び国道52号へ。小島公民館前で中学生8人がわらわらと乗ってきた。やはり皆反射材付きの腕章を付けている。うち1人は成海璃子を思わせる清楚な出で立ちで、黄色い腕章とのミスマッチぶりに思わず苦笑い。どうやらこの中学生たちのために走っている路線のよう。部活が終わる時間にはもっとたくさん乗るわけで、中型車が走るのも納得だ。


上りが急になり、沿道にはオレンジ色が鮮やかなミカン直売所が並ぶ。バスは細い谷間の国道をゆっくり進む。中学生は5つ先の宮の脇でもう降り始めた。小河内で今度は小学生が乗車。舞台を過ぎて、それまでポツポツながら続いていた民家がついに途切れ始めた。坂本温泉なんて気になるバス停からはさらに谷が深くなる。


と、大雨時通行止めの標識を過ぎたところで、急に視界が開けた。


真新しい高架。第二東名だ。


さっき東名をくぐってから随分走った場所。こんな山奥を通るのか。ここまでたくさんのダンプとすれ違った。何でだろうと思っていたが、ここで納得。高架脇に出たら、総裁が降りる清水工業団地まですぐだった。

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09021210清水工業団地から、芝川町営バスの瓜島(うりじま)まではバスがないので歩きだ。県道を約3kmの道のり。さった峠回りの半分、広島-東京旅のルールで目安とした4km以内に収まる。


マイナー県道のためほとんど情報がなく、このルートを実行された方のHPによると「寂しい道」とあったので少し不安だった。少しだけ清水側に戻ってT字路を芝川方面へ。第二東名工事の副産物なのかちゃんと2車線道だ。


人家はまったくなく、鳥のさえずりと第二東名からの槌音がけが山々に響く。人間という生き物はよくもまあこんなところまで高速道路を引っ張ったものだ。崖っぷちにへばりつくような高架橋を見るにつけ、執念と土木技術の粋にただ感嘆する。(写真はT字路付近。このへんが一番工事が進んでいた)

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ただ、快適道はいつまでも続かなかった。20分ほど歩くと2車線道が1.5車線に絞られる。クルマはあまり通らないがあんまり気分は良くない。自然と早足になる。間もなく芝川町に入った。

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第二東名の工事現場ゲートを過ぎると高架橋は山の向こうに見えなくなった。見通しの悪いカーブを曲がると電柱にこんな看板があった。

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すぐそこ!? まだ半分ぐらいかなと思っていたら、結構歩いていたらしい。瓜島には温泉があると聞いていたが本当だったよう。一気に足取りが軽くなったが…なかなか「すぐそこ」に着かない。そうこうするうちに2枚目、3枚目の「すぐそこ」看板を過ぎる。もう、すぐそこ詐欺かよと(笑) クルマだとすぐそこなのかな?


15分ほど歩くとちょうど測量をしていた。お互いに「こんにちは」とあいさつしたが、技師さんたちは「?」の表情。やっぱりここを歩くのは相当物好きなよう。観光地もなく、旧街道でもない。芝川町は東隣にある富士宮市との結びつきが強く、静岡側との行き来は少なめ。無理もない。


測量現場を過ぎて…家だ!

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瓜島の集落が見えてきた。バスの転回場も。道がつながっていることは知っているが、やっぱり生活の証しが見えるとホッとする。時間は16:15。思ったより早く着けた。

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瓜島バス停は公民館(見た目は集会所)の前にあった。そして他に何もない。瓜島温泉と書かれた建物は営業していないようだし、自販機さえない。とりあえず、さっきあった3枚目の「すぐそこ」看板に「お風呂だけでも入れます」と書いてあったので、どんなところか見に行くことにしよう。


バス停1つ分、県道をてくてく。10分ぐらい歩いてようやく看板にあった旅館に着いた。が、妙に静まりかえっている。飼い犬がワンワン吠えるばかりで人の気配がしないのだ。本当に立ち寄り入浴ができる? バスまでの時間を考えると風呂に入れるのは40分程度。帰りに湯冷めしそうだし、何だか気持ちが折れてきた。(後で調べると立ち寄り入浴は15:00まで。ちょうど休憩時間だったらしい)


ひと気のない集落をヤサ男がウロウロするのもアレなので、瓜島バス停に戻る。ここなら長時間いても不自然ではない。公民館前の石垣に腰掛けて本を読むが、段々と底冷えしてきた。風がビュービュー吹き抜けて一層寂しさを増す。


とりあえず風を避けようと公民館の物陰で縮こまったら、今度は隣の家の犬が激しく吠え始めた。石垣の切れ目から総裁=犬から見て不審人物が見えたからだろう。最初はほっとけば飽きるだろうと思っていたが、なかなかに優秀な犬のようでずっと甲高い声を出し続ける。さすがに近所迷惑なのでまた石垣に戻る。それでもまた吠えていたが、10分ぐらい経ってやっと静かになってくれた。


17:00になって大音量で音楽が流れた。空が暗くなり、街灯や家の明かりがともる。第二東名の作業員を乗せたワゴンもライトを付けるようになった。こうなると本を読むこともできない。やっぱ無理を言ってでも風呂に入ってくれば良かったかなあ


そして17:15、遠くにマイクロバスらしきライトが見えた。思わず両手を挙げて「おーい」と叫びそうに。これでバス旅の徒歩込み新ルートがつながった!

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広島発 バスに揺られて(番外編8) 

空は鉛色。昼下がりのバス乗り場はのんびりした空気が流れていた。

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学生さんがちょっと少ない以外はあの日と同じ光景。「広島-東京のバス旅でもし清水からこのルートをたどっていたら?」という前提にするため、前回と同じ金曜日の午後2時に戻ってきたのだ。相変わらず忠霊塔行きが次々やって来る。


1.清水駅14:27→14:56但沼車庫(しずてつジャストライン)250但沼車庫 JR清水駅・JR興津駅
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(運賃は540円)

(順に1,2,3の地図をご参照ください) 広島-東京のバス旅では、この14:20発を使うつもりだった。しかしいつまでたっても来ず、結局先に来た14:30発の県営興津団地行きに乗車。途中で抜かされた。きょうも少し遅れて到着。既に乗っている人を含めて5人で清水駅を発車した。あの日興津団地行きを抜かしたバスと同じ、旧しずてつ塗装車だ。不思議な気分。


駅前を右折し北へ。国道1号が1車線に絞られる手前、西久保営業所で1人乗った。ドアを開閉するときビーーーーーというブザーが響き、昔の集合住宅にあった呼び鈴を思い出す。


道が狭まり、袖師公民館前あたりからはいかにも東海道っぽい、街道筋の面影を残す街並みになった。


小学生たちが集団下校する脇をゆっくり走り、庵原川を渡って横砂西で2人下車。東海道線を陸橋でまたいで静清バイパスをくぐると間もなく興津だ。前は歩くことでアタマが一杯でちゃんと車窓を眺めていなかったが、沿道の家々はいずれも立派な門構え。緑萌える時期に訪ねてみた清見寺で1人降りた。


きょうのバスは興津駅前のロータリーに入る。よく見ると清水駅から乗り通している人もいる。時間だけ考えれば清水-興津間だけでもJRに乗った方が早いのだが、階段の上り下りがイヤなのかな。窮屈な広場をぐるりと回り、不二家と自販機の前の、少し窮屈なバス停に到着。乗り場から女子高生ら3人が乗ってきた。(写真は駅ホームから見た興津駅バス停)

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ウテシのネームプレートの上に「私は着席確認して発車します」というスローガンが貼ってあった。その通り高校生が座るのを待って発車した。


バスは国道1号に戻り、興津中町で1人乗車。前回行き着かなかった(笑)県営興津団地の角を左に曲がり、国道52号に入る。国道54号は広島県、53号は岡山県がスタートだが、52号はこんな場所にあったのだ。


後ろを見ると静清バイパスはトラックがひっきりなしに行き交い、横の防災倉庫には弥次喜多のイラストがあった。このあたりは昔も今も交通の要衝。そして「君は太平洋を見たか 僕は日本海が見たい 中部横断道実現」なんて未来もその地位を築こうとする看板があった。


再び陸橋で東海道線をまたぐ。少し走って右側に総裁がさった峠へ行くために渡った橋(新浦安橋)が見えた。あのときはそんなに思わなかったけど、意外に離れてたんだなあ


そしてすぐに東名をくぐる。と、左側から、続いて右側から山が迫ってきた。せまくなった平地には平屋の家がびっしり建ち並ぶ。バスは短区間の利用が多く、バス停のたびに乗り降りがある。少しずつ坂になり、消防学校の先で今度は新幹線の高架をくぐる。


谷津を過ぎるあたりから畑が増えてきて、たわわに実ったミカンが山にオレンジのドットを描く。道ばたの狭いスペースも茶畑として有効利用。山の端にへばりつくように建つ家もちらほらあり、山間部の風景になってきた。


小島で遠くまで見渡せる丘の上へ。「もうあの先は家がなさそう」というところまで見えた。但沼の先でバスは左折。山あいの静かな集落を少し走ったら、もう但沼車庫だった。


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09021108但沼車庫は集落のはずれ、「ここが静岡都市圏の端」といった感じの場所。裏山の手前に茶畑が広がる。TVを付けているらしい詰め所には住み込みの人がいるのだろう、洗濯物が干してあった。車庫前を通りかかった中学生が反射材付きの腕章をしていた。これでも市街地から30分程度の場所なのだが。


次に乗る両河内線は元々清水駅までの直通系統。1987年からは清水市自主運行路線、合併後に静岡市自主運行路線になった。直通系統だった名残りからか、清水-但沼車庫線(三保山の手線)とは今も接続。時刻表の該当便には注釈が付いている。
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