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ゲリラ雪

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下道(かどう)会総裁が「よしなしごと」をゲリラ雪のように、書くときは大量に、書かないときは放置気味に記します

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北海どうでしょうⅡ 18 

夜中ふと目が覚めました。何となく携帯を開いてメールチェックすると、広島-東京バス旅の最後をともにした埼玉の友人(以下好象<すきぞう>、このへん参照)から1通届いています。「総裁も北海道に行ってるんだね。自分も北海道へ行くんよ。そちらはどんなルート?」。


何という偶然!


いま豊富温泉で、昼から音威子府に出て天北線バスで稚内に行く…などと返事すると、「自分も道東へ行く予定だから、寄り道して稚内へ行こう」とのこと。かくて埼玉の人間と広島の人間が音威子府で待ち合わせることになりました(笑)


不思議な縁はまだまだ続きます。快晴で朝を迎え、油風呂にもうひと浸かり。その後、ごはんを食べているときのことです。昨晩と違って他の宿泊客の方もいました。何となく話に入れずごはんを食べていると、女性と総裁の2人だけに。「どちらから来られました?」と聞くと「広島県からです」「!?」


何と、広島から1400km離れた北の果てに県民がいたのです。福山市在住。アトピーの治療のため時々広島市内の皮膚科に通っていて、主治医に勧められて来たらしい。4日前から滞在してきょうチェックアウトするそう。「効きました?」と聞くと「ええ、つるつるです」。来るまではザラザラだったという手の付け根部分がツルツルになっています。症状が改善することが多いとは聞いていましたが、目の当たりにするとびっくりです。


豊富を出たら稚内へ直行し、定期観光で宗谷岬などを観光。あす朝の特急で札幌へ戻り広島に帰るそう。「もしかしたら稚内でお会いするかもしれませんね」なんて話して別れました。


さあチェックアウトしようかなと玄関へ行くと、ちょっと気になる商品が。


温泉成分で作った石けん! ドロドロ色の石けんが鎮座しています。これはいいお土産になりそう。ところが袋裏には「台所用石けん」と書いてあります。せっかくの温泉成分なのに皿洗いに使うのはもったいない。聞くと、「体を洗う石けんと商品表示する場合は保健所の基準が厳しいので、やむなく台所用石けんにしている」とのこと。温泉成分が合わない人以外は、肌を洗うのに使って大丈夫だそうです。早速買いました。


何てやり取りをするうち、バスの時刻が迫ってきました。まずいなあと思っているとバスがサーッと通過。豊富駅行きに乗り遅れてしまいました…。日曜なので次のバスは昼過ぎまでありません。オロオロしていると若女将さんが「ちょっと待っていてください」と奥へ。間もなく出てこられ、「クルマでご案内します」。大女将さんが街に出る用事があるので駅まで乗せていただけることになりました! 感謝。


道すがら、大女将さんから「雪の中でも毎日学校に通った」「昔に比べて家が減ってね」なんて話を聞き、豊富駅に到着。「また来て下さいね」と見送っていただきました。最初から最後まで大変お世話になりました。広島の人にもたくさん勧めて、また来ます(^^)/






宗谷本線は便数が少なく、音威子府方面は7:50の特急を逃すと11:43の名寄行き普通列車までありません。豊富温泉朝イチのバスがさっき乗り過ごした8:54発。反対に幌延方面に出るバスも8時過ぎまでなく、どうやっても11:43に乗るしかありません。昨晩みたいに宿に送迎をお願いするテもありますが、7時台の列車に乗ろうとするとかなりせわしないので、昼前まで豊富・幌延界隈に滞在することにしました。


そこで目を付けたのが豊富駅からバスで12分ほどのサロベツ原生花園です。広島では見られない草花をじっくり楽しめそう。あいにくバスはいい便がないのですが、事前の調べで豊富駅にレンタサイクルがあることが判明。天気もいいことですし、宗谷の澄んだ空気を思いきり吸うことにしましょう。駅に隣接する観光協会でママチャリを借りて、いざ出発です!


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「11:43に乗るんだったら時間的に厳しいかも」と観光協会で言われたので、ぐいぐいこぎます。線路沿いに走って踏切を渡ると、あっという間に中心部はおしまい。中学校とスポーツセンターの間を抜けて川を渡ったら、こんなポスターが待っていました。


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お前ががんばれよ! ジミーちゃんばりに突っ込みたくなるキャッチフレーズ。アンタが推進した規制緩和でみんな疲れてるのに、このキャッチフレーズはなかろう。比例復活もないぐらいの大差で負けた理由が分かりました。選挙から1週間も経っていないのに色あせて、破れているあたりもの悲しささえ感じました。


気を取り直して。ゆっくりと右に曲がって町道から道道に入ると一面の牧草地が待っていました! もう1本川を渡った先で90度左へ。ここから道道は真っ直ぐ、まるで定規で引いたような直線を描きます。視界にはいるのは緑、水色、紺色だけ。広島のチャリダーが見たら泣いて喜ぶことでしょう。胸一杯に吸い込む混じりっけのない空気と、ほほをなでる風に体が蘇る感じがしました。


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なだらかな坂を登り切ったら、今度は一気に下り。灌木が消え、左手にログハウス調のビジターセンターが見えてきました。360度すべてが湿原。建物向かいのバス停付近は洋画のワンシーンを思い出させる、突き抜けた眺めでした。運がいいと利尻富士がのぞめるそうですが、きょうは雲が邪魔してかなわず。


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湿原内は木道が伸びていて、サロベツの自然と気軽に触れ合えるようになっています。歩き始めると、湿原についての解説板がありました。


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原生花園周辺のサロベツ地域は7000年前ごろまで海でした。地球温暖化で氷河が一気に溶けて海水面が上がった「縄文海進」の時期です。一気に増えた海水は海底を押し下げ、徐々に水位を下げていきました。サロベツでも砂丘が成長。日本海と分離して潟湖(古サロベツ湖)になりました。


周囲ではヨシや水草が育つように。低温多湿のため枯れた植物は完全に分解されず、土砂とともに湖底に積もり、湿原を形作りました。さらに泥炭がたまって湖面より高くなり、ミズゴケ中心の「高層湿原」になったのが現在のサロベツです。広さは2万ヘクタールに及びます。100種類もの湿原植物が育ち、独自の生態系をなしています。土壌は1年に1mmしか成長しません。サロベツ原野は、悠久の時が紡ぎ出した自然の芸術なのです。


中へ進んでいくと、濃緑の中に色鮮やかな花々が顔をのぞかせていました。


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まずはホロムイリンドウ。光の差し具合が絶妙で、やっと迎えた日差しを全身で喜んでいるように見えました。やねこい仕事が終わって朝を迎えた清々しさみたいな。リンドウの花言葉は「あなたの悲しみに寄りそう」「悲しんでいるときのあなたが好き」など。総裁と同じ心境になった人が付けたのでしょう。秋までの、緑のサロベツを飾る最後の花です。


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ナガボノシロワレモコウ。そう、すぎもとまさと「吾亦紅」でお馴染みの、あの花の仲間です。たまたまポツンと咲いていました。バラ科なのに花びらに彩られることなく、風を受けて、わびしくこうべを垂れる姿は中年男の哀愁と重なります。でも、地下には太い根っこを張っているんです。今はつらいけど、悲しみを乗り越える強さも秘めている…作詞のちあき哲也はそんな思いを込めたのかもしれません。本州でも見られ、山口県、福島県などがレッドデータブックに指定しています。


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コガネキク(別名ミヤマアキノキリンソウ)です。菜の花を思い出すブリリアントな黄色が印象的。ハチもやって来て、残り少ない秋を名残惜しんでいました。気付けばあたりには総裁1人だけ。風と、草がそよぐ音だけが響いていました。日本にもこういう場所があるんだなあ。目を閉じて、しばし大自然と一体になりました。


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北は稚内手前、南は幌延まで延びるサロベツ原野ですが、徐々にその面積を減らしています。国が1950、60年代、湿原を農地・牧草地にするために放水路などを整備。乾燥化が進んだほか、クマザサが湿原植物を徐々に侵食したのが原因です。環境省や地元で再生事業がスタートしましたが、1年に1mmしか成長できない湿原が相手なので長丁場の戦いになりそう。美しいサロベツの大自然が一日でも長く見られるよう応援したいと思いました。


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チャリをしっかりこいだのでレストハウスで糖分補給。旅館で食べたプリンの、濃厚バージョンをいただきました。元々おいしいプリンですが、緑色に染まる原野で食べるとなお一層うまさが増します。


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ああ、うまかったなあと中を見回すと、1人旅っぽい若い女性が窓から見える湿原を撮ろうとテーブルで悪戦苦闘していました。半分オフシーズンで若い女性客がほかにいなかった上、パンツが見えるのではないかというぐらい前屈み姿勢だったので、男衆の視線が集中。手伝ってあげようかと思いましたが、Tシャツに「女23歳うお座、一人旅中」(確かこんな文言だった)なんてネタっぽいプリントが。下手なコトしてBlogやTwitterに悪口を書かれたらたまらないので放っておきました(^^; どうぞよい旅を。






11:10、豊富駅に到着。「時間的に厳しいかも」と送り出してくれたオバちゃんが「もう戻れたの!?」と驚いていました。ちょうど留萌行きの沿岸バスが客待ち中。せっかくだから幌延まで乗ろうかと誘惑にかられましたが、きょうは萌えっ子きっぷがなく割高になるので断念。おとなしく11:43の名寄行き普通列車に乗りました。


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もっとも1両ワンマンカーなので「列車」と呼ぶのはちょっと気がひける編成。運良く窓際が開いていたので少し窓を開けて山々の恵みを吸い込みます。幌延で大量のコンテナを見送ってからは家も途切れ、駅の周りにさえ何もない場所がちらほら。途中特急の通過待ちをした雄信内もそんな最果て感が漂う駅でした。


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文庫本を読み終えて、深い谷の中を30分ほど走って「次は音威子府」の放送が流れました。豊富での快晴から一転、空は暗くなり、今にも雨が降り出しそう。ホームに着くと、好象がカメラを構えて待っていました。ちょっとハズい。


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音威子府といえば駅そば! 創業1933年の「常磐軒」は乗り物好きなら知る人ぞ知る名店です。かつては天北線との交差駅として大いに栄えた駅も、今では寂しくなりました。でも常磐軒人気は健在で、そばを食べるために車で訪れる人さえいるとか。最北の旅には欠かせない味なんです。


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そば殻も一緒に挽いた真っ黒い麺は香り高く、濃いしょう油だしとの相性は抜群です。かけそばだと具材はネギだけ。麺とだしだけで勝負しようという潔さと、それを支える味。常連さんが多いのも納得です。曇って少し肌寒い中で食べるとまた格別です。ずるっ!と一気にいけました。ここまで来たかいがありました。


「口福」の余韻を楽しみながら、駅からすぐの場所にある道の駅へ。カントリーサインマグネットを買いました。日本最少の村のカントリーサイン、ゲットです!


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この記事に対するコメント

ついに…

最果ての地での対面ですね全て順調と思ってたんだがね…

URL | 好象さん #-

2010/03/05 21:50 * 編集 *

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