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ゲリラ雪

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下道(かどう)会総裁が「よしなしごと」をゲリラ雪のように、書くときは大量に、書かないときは放置気味に記します

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県境は突然に 下道バス1000km【帰り道】3 



3.田端新町1丁目15:02→15:20皿沼2丁目里48 江北6丁目団地経由 見沼代親水公園駅

東京都交通局V347 練馬200か24-06(運賃は200円)




より大きな地図で 下道バス1000km【帰り道】その2 を表示

12050601バスを降りて、元来た道を少し戻ります。南北に続く日暮里舎人ライナーの高架下の横断歩道で尾久橋通りを渡ります。23区内でよくもまあこれだけ新しい高架線を造れたよなあと感心していると、上からスーッと音がしました。向かいのビルの窓に、滑るように走っていく銀色の車体が映りました。日暮里行きです。広島のアストラムラインと同じ新交通システムなので、音は一緒。軌道周辺の街路が一部新しい点も同じです。いや、建物の密集具合からするとアストラムラインより沖縄のゆいレールに近いかもしれません。


そんな新しいものづくめの中で、バス停だけはベンチも屋根もなくいたってシンプルでした。かつて里48は猛烈な本数のバスが行き来。深夜バスの設定もあり、積み残しもしょっちゅうだったそうです。日暮里舎人ライナー開業後も高齢者たちが利用するとして残りましたが、ダイヤ改正ごとに便数は減り続けています。今回時刻表を調べたら、昨夏乗車した時(このへん参照)よりさらに減っていました。日が当たらず、通り抜ける風も心なしかひんやりしていました。もともと寂しいバス停だったのかもしれませんが、便数が細る現状を思うと、一層わびしくなります。


12050602何回かスーッと音が聞こえた後、バスが来ました。減便続きでも固定ファンがまだまだいるようで、老若男女がひと通り座席を埋めた状態。何とか1人分の席を確保しました。ビルとライナーの下を走りぬけ、高架道路へ行く坂を途中で下りたら熊野前。外を歩いている人が多いなあ、何でだろう?と思っていたら


都電登場!


首都圏で過ごした大学時代、よいよ都電に縁がなかったので、アタマの中の鉄道路線図の中からすっかり抜け落ちていました。緑が目立つ広い道の真ん中を軌道が通るさまは広電の福島町みたい。ここで5,6人が乗車し、立つ人が出始めました。都会のならいに従っておじいちゃんに席を譲ります。バス停間隔は結構長く「バス停1つ分しか乗らないんだけど、歩くと遠いからさ」とおじいちゃん。シルバーパスのおかげなんでしょう、おじいちゃんを含めて、都営バスは短い区間のお客さんが多いです。


12050603おじいちゃんは宣言通り次の足立小台駅前で下車。発車してすぐに荒川越えです。休日なので河川敷にはたくさんの人がいました。遠くにぼんやり見えるアーチが金八先生opに登場した橋かなあ(多分違う)、あしたの今ごろははるか上流にいるんだよなあ…などと思索にふけるうち、南行きだけバスロータリーを備えた江北駅前を通過。代車なのか、行き先表示は「東武」、運転席前に地名が書かれたボードを掲げたリエッセとスライドし、さらに走り続けて江北6丁目団地に着きました。長い長い駐輪場の先のバス停で5,6人が下車。再び席にありつけました。気づけば車内は4人だけに。


12050604周囲はロードサイド店ばかりに。都心だった田端新町1丁目から、アストラムライン沿いのような郊外の風景になってきました。時々あるマンションや倉庫を除いて、建物が低くなり空が見渡せるように。羽田空港に着いたときは小雨混じりのグレーな空でしたが、徐々に雲が晴れてスカイブルーが混じってきました。


「谷在家洞道基地」という謎の施設を過ぎたら皿沼2丁目でした。スマホで調べると、洞道は電気、ガス、通信ケーブル網が通るトンネルのことだそう。よく見ると尾久橋通りには電柱がない。最初はすわ謎の地下道か、とアタマの中に川口浩探検隊のテーマが流れましたが、シュンとなりました。


12050605都心から走り続けて初めて大きな空き地が見えてきて皿沼2丁目。総裁以外に中年夫婦も降りました。喪服を着ているので亡くなった人の家へ行くのかな。羽田空港の離着陸ルートの真下にあるんでしょう、飛行機のジェット音が響いていました。


日暮里舎人ライナー開業後も生き残った里48ですが、次に上京した時はさらに減ってそうな気がしました。運賃200円で日暮里舎人ライナー(160~320円)より割安ですが、時刻表通りに運行しても見沼代親水公園駅まで30分。ライナーなら20分です。しかも結構渋滞するらしい。結局、迅速・確実なライナーに軍配が上がったようです。「最初から廃止すればよかったのに」という声もあるでしょうけど、並走させて正解だと思います。どの交通手段を使うか。選ぶのは行政ではなく消費者です。




4.皿沼2丁目15:38→16:04川口駅東口川15 川口元郷駅 川口駅東口

国際興業6899 大宮200か18-44(運賃は230円)




12050606.jpg東京駅から乗り続けた都営バスとはここでお別れ。皿沼2丁目は国際興業との境目。埼玉県南部で迷路のように路線を張り巡らせるエリアの端っこです。ここから大宮駅まではひたすらひたすら白とエメラルドグリーンの車体に揺られます。以前は白と濃緑色をバックに「KKK」と表記していましたが、日韓W杯ごろに今の塗装になったようです。まあ、国際的にこの3文字の組み合わせは刺激的すぎますわね(^^;


長い長い横断歩道を渡って、巨大な仏壇店の前がバス停でした。写真を撮ったりメモを取ったりしていると、さっきの喪服夫婦が戻って来ました。先方であまり長居をしなかったみたいです。こちらも驚きましたが、向こうもびっくり(^^; 折り返しの日暮里駅行きに乗って行きました。


12050607都営バスが発車して間もなく、違うカラーリングのバスが見えてきました。バス停に近づいてウインカーを付けると「ピピン、ピピン、ピピン」と独特の音。そうそう、国際興業のバスってこんな音が鳴るよね。何年か前に西川口駅からNHKアーカイブスへ行った日の記憶が蘇ります。ここまで乗っていた客は1人だけ。休日の昼下がりですから…。皿沼2丁目を発車して、すぐ次の交差点を右折。住宅地の広い広い2車線道路に入りました。路線図を見るとわかりますが、川15系統が尾久橋通りを走るのはほんのわずかな区間です。


12050608建物が一気に低くなり、交通量も減少。のんびりとした車窓に変わりました。皿沼不動手前で岡山の中心部を思わせる緑道と交わります。谷在家公園と舎人公園を結び、春と秋に咲く「十月桜」が名物だそう。この時は黄色がまぶしい菜の花が咲き誇り、田舎の国道脇にありがちな「そば・うどん」ののぼりが風に揺れていました。地方民がイメージする東京はコンクリートジャングルなんですが、実はヘタな近郊都市より街なかに緑があるんですよね。何て思いを巡らせていたら…


JA発見!


東京にもJAがあるんですね。八王子方面には山間部があるので当たり前なんですけど、地方民には意外でした。ゆっくり左にカーブしながら加賀1丁目の先で足立区コミバス「はるかぜ」とスライド。あちらはお年寄りばかり4,5人が乗っていました。交差点を右折して首都高速の橋桁が見えてきて加賀。工場が立ち並ぶ灰色の車窓になりました。時間調整で止まったら、当初から乗っていたおっちゃんがウテシ氏のもとに歩いていきます。何かを尋ねています。


「オートレースへはどうやって行くの」
「最終レースに間に合うかな」「それは有料?」


ああ、ギャンブラー。夕方前に向かうあたり筋金入りじゃないのかな(^^; 「行き方ぐらい知っとけよ」と最初は思いましたが、国際興業エリアは網の目のように路線があり、いずれもそれなりの頻度で走っている…つまり時間によって最短ルートが変わってくるんです。今回の旅を計画した時に分かりました(笑) バスヲタでもベストアンサーが導けない問題をおっちゃんに理解せえというのが無理な話。ウテシ氏も「うーん」と悩んで、知っている限りの答えを教えていました。結局、時間調整以上に止まって発車。首都高をくぐりました。


東領家4丁目で女子が乗車。整った容姿。オートレースのおっちゃんとは対象的な客層だなあと思って改めてご尊顔を拝見したら…うん、色々納得しました。バス停は橋のたもと。県境って大概川や峠のてっぺん…もしかしてここが都県境かとカメラを構えます。今回はカントリーサイン制覇も企んでいました。窓を見ながら「さあ来い」。ところが…何もない。明らかに街並みが変わってるんだけどな。花の枝橋で親子連れ2人が乗って、交差点で西川口駅行きを目撃。国際興業オンリーのエリアっぽいです。どうやら気付かないうちに埼玉県に入っていました。狐につままれた思いで、カントリーサイン制覇を諦めましたorz


(帰宅して分かりました。さっきの首都高速が都県境でした


西川口駅行きのバスが見えたところで、ウテシ氏がさっきのおっちゃんに話しかけます。「時間は分かりませんが、この交差点からオートレースへ行くバスが出ています」「それは有料?」。おっちゃんは運賃に強いこだわりを見せていましたが、早く着くかもという点に惹かれたのでしょう。「じゃあ乗っとく」と降りて行きました。皿沼2丁目より前から川15に乗っていた、ということは大きく南に遠回りしてしまったはず。お気の毒様です。


工場地帯から再び住宅地へ。弥平新田の手前で左折して狭い道に入ると、ポツポツとお客が乗ってくるようになりました。ゆるやかにカーブしている上、路駐やチャリ少年に阻まれましたが、ダイヤに余裕があるようで元郷5丁目でまた時間調整です。気づいたら立ち客もいます。元郷新道で窓からゴムが焼ける臭いがしてきました。そう、川口は工場の街。すっかりベッドタウンになりましたが、ものづくりのDNAは残っていました。


12050609「次は川口元郷駅」とアナウンスがあっても一向に街っぽくならず、突然人工的な広場が出現。新しい路線な上、地下鉄だから「本当に駅なの?」と思う眺めです。バスターミナルの利用は埼玉高速鉄道開業と同時ではなく、1年半遅れで始まったそう。住宅地の中にこれだけの土地を確保するんだから、だいぶ用地買収に手間取ったのかな、と推測します。そんな労作のバスターミナルをぐるっと回りますが、この便は乗り降りがありませんでした。


12050610ターミナルを出ると、すぐに巨大なショッピングセンター(ミエル川口)が出現。いよいよ市中心部に入ったようです。川を挟んだ対岸まで鯉のぼりが飾られ、風にそよいでいます。後ろの座席の小学生の女の子が「かわいい」。清く正しい日本のGWだななあ、とほっこりしていたら「鯉のぼりって人のことを食べちゃうんでしょ」と続けました。誰だよ、社会の現実を教えた奴は(笑)


思い切りずっこけた総裁を乗せて、バスは狭い街路を丁寧になぞって交差点を左折。再開発道路っぽい道を過ぎると久しぶりの大通り、産業道路に出ました。周りの建物が一気に高くなり、視界の先に川口駅が見えてきました。バス停名になった中央道路の入口をすぎればいよいよ駅前。周りを見ると各地から集結した国際興業バスだらけで、凱旋した気分でバスを降りました。




12050611川口市の人口は56万人。川口駅自体は京浜東北線しか止まらないのでそこまで大きくありませんが、ペデストリアンデッキ(立体歩行者回廊)が張り巡らされ、周辺はちょっとした県庁所在地以上に都会です。ベッドタウンだけどそごうがある、というあたり東京の桁外れ具合を感じさせます。むかし広島そごうでエスカレーターに乗ると3階あたりに「全国のそごう」というパネルがあって、川口も確かにありました。小さい頃、イラストで見た場所にこうやって立っているんだなあと感慨に浸りました。


12050612東口バス乗り場はペデストリアンデッキの下にあって、右も左も国際興業バス。鉄道が不便な人口50万都市で交通を一手に担っているのだからすごいことです。大都市では事業者が入り乱れている中国地方からすると、なかなかに壮観な眺めでした。
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